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傷ついた組織を修復する再生治療-PRP(多血小板血漿)療法とは

手足を怪我して出血してしまった時、短期間で傷が塞がっていき、かさぶたが出来て、数週間過ぎた頃気づいたら治っているということがあると思います。この傷を治癒する働きは、血液に含まれる”血小板”によるものです。血小板は血管や細胞を修復したりする働きを持ち、その中に血管新生、線維芽細胞活性化、コラーゲン産生などを助ける成長因子が含まれています。この血小板を濃縮した血漿 (PRP) を作製し、これを患部に注射するのがPRP療法です。PRPを患部に注射すると様々な分子が患部の細胞に働きかけ、人が本来持っている治癒能力や組織修復能力、再生能力を引き出し、組織再生や創傷治癒を促したり、抗炎症作用を発揮したりすることで、難治部位の組織が修復され、痛みが取り除かれていくと考えられています。
PRP療法の適応疾患
PRP療法は、様々な怪我や病気の治療、そして近年では美容医療にも効果が認められています。特に歯科治療や肌再生治療などに広く普及している治療法です。PRPは傷口の回復を早めることから、海外では手術後の傷口処置にも用いられています。
整形外科においても適応制限は特にありません。野村医院では変形性膝関節症、関節炎などの一般的な病気や、スポーツによる腱炎や靭帯損傷、肉離れなどに対してPRP療法を行っております。

Merit & NotePRP療法のメリットとご留意点
メリット
副作用が少ない
PRP療法は患者さんご自身の血液によって組織の修復を促す治療であるため、アレルギー反応、副作用が少ないことが大きなメリットです。
ご留意点
保険外治療になります。
自己細胞の働きは効果に個人差があります。
PRP療法は保険外治療であるため、治療費は全額自己負担となります。
また患者様によって効果・持続時間に個人差があります。
治療回数Number of times
PRP療法を行う回数に特に決まりはありません。野村医院では、早期治癒を目的とした肉離れなどに対しては通常1〜2回の治療を行います。腱炎など難治性のスポーツ障害は、効果の現れ方に個人差があり治療回数もさまざまです。数年単位で経過を見守っていきます。
PRP療法の
費用Cost
PRP療法は、日本ではまだ保険診療として認められておりません。そのため、治療を受ける方は自己負担となります。国内では平均的に一回のPRP注射にかかる費用は現在200,000円〜300,000円前後です。野村医院では治療内容により費用を165,000円から設けております。詳細は診察時に担当医にお問い合わせください。
PRP療法の効果
Effective
個人差があり、PRPの注入から1~2か月後から効果が現れ始めます。
Effective
治療を行ってから約3か月後に、症状がどれくらい改善したか問診・写真・レントゲン等で評価します。
Effective
1回の注入で効果が持続する期間は1~3年程度です。長期的な効果を得たい場合は、経過を見て回数を追加することも可能です。
Effective
既往症がある方でも治療が可能な場合がございます。詳しくは検査を行いますので、お気軽にご相談くださいませ。
PRP療法は、体内への侵襲性が低く、患者様ご自身の血液を利用するため拒絶反応のリスクがほぼ無に等しい画期的な医療です。しかし一方で、従来のPRPはその場で作製し使用するため、治療の度に採血と血液の加工作業を要するという特徴を持ち、品質管理やコスト面にも課題がありました。
野村医院では再生医療専門機関であるセルソース株式会社にこの高度な加工業務を委託することで、安心・安全且つ円滑な治療フローを実現。
患者様にもたらす負担の軽減と、より高い治療効果につながることを期待しています。野村医院は今後も医療人としての知見を活かし、さまざまな先進的な医療の選択と積極的な治療方法を追求してまいります。