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抜け毛の原因とは?注意が必要な抜け毛の見分け方もご紹介

抜け毛はだれにでも見られる生理現象の1つですが、あまりにも抜け毛の量が多い場合や、抜け毛の状態に異常が見られる場合、何らかの脱毛症を発症している可能性も疑われます。

こちらの記事では、注意が必要な抜け毛の見分け方や、抜け毛につながる18の原因について解説しています。疑われる脱毛症の種類もご紹介していますので、抜け毛や薄毛が心配な方は参考になさって下さい。

目次

抜け毛のタイプ2種類

抜け毛は大きく分けると、次の2つに分類されます。

  • 自然脱毛
  • 異常脱毛

自然脱毛はその名の通り、ヘアサイクルを終えて自然と抜け落ちる髪の毛を意味します。異常脱毛はヘアサイクルの乱れが原因となって起こる抜け毛です。

抜け毛が自然脱毛なのか、それとも異常脱毛なのか判断するためには、ヘアサイクルの周期について理解しておく必要があります。ヘアサイクルには次の3期があります。

時期特徴
成長期毛母細胞が活発に分裂し、髪の毛が太く・強く成長する時期。ヘアサイクル全体の85%~95%を占める
退行期毛包の退縮が始まり、髪の毛の成長が鈍くなる時期。ヘアサイクル全体のおよそ1%を占める
休止期髪の毛の成長が完全に停止し、抜け落ちるのを待つ時期。ヘアサイクル全体のおよそ10%~15%を占める

ヘアサイクルは男性の場合およそ2年から5年周期、女性の場合はおよそ3年から6年周期で繰り返されます。ただし、ヘアサイクルは10万本とも言われる髪の毛1本1本ごとに異なるため、いきなりすべての髪の毛が抜け落ちるわけではありません。

ヘアサイクルは無限に繰り返されるわけではなく、生涯に20回~40回ほど繰り返すと終わりを迎えると考えられています。男性に比べて女性の方が年齢を重ねても薄毛になりにくいのはそのためです。

何らかの原因によってヘアサイクルが乱された場合、髪の毛の成長期が短縮され、成長を終えない内に抜け落ちてしまいます。そのような状態が続くと、徐々に薄毛のリスクが高くなるのです。

注意が必要な抜け毛の見分け方

抜け毛や薄毛を予防するためには、ヘアサイクルの周期が正常かどうかを調べる必要があります。その方法の1つが、抜け毛の状態を確認することです。以下の項目に当てはまる数が多ければ多いほど、異常脱毛を起こしている可能性が高いと考えられます。

  • 抜け毛が1日100本以上
  • 抜け毛の長さが短い
  • 抜け毛の細さから見分ける
  • 抜け毛の色が黒が薄れ赤茶色の様になっている
  • 抜け毛がマッチ棒の様な形ではない

1日に50本から100本の抜け毛はだれにでも見られるものですが、毎日のように100本以上の抜け毛が見られる場合、異常脱毛を起こしている可能性があります。

抜け毛が極端に短かったり、細かったりする場合、ヘアサイクルの成長期が短縮している可能性も疑われます。また、抜け毛が異常脱毛かどうかをチェックする場合、抜け毛の色や形状についても確認してみましょう。

抜け毛の色が赤茶色になっていたり、色が薄くなっていたりする場合、髪の毛に十分な栄養が届かずに抜け落ちた可能性があります。また抜け毛の根元がマッチ棒のように膨らんでおらず、1本の棒のように真っすぐな場合、髪の毛の成長を妨げられている可能性が疑われます。

ただし、抜け毛が本当に自然脱毛なのか、それとも異常脱毛なのかを見極めることは困難です。仮に上記の項目に複数該当するようであれば、専門のクリニックで見てもらうのがおすすめです。

抜け毛につながる18の原因

異常脱毛はホルモンバランスの乱れや頭皮の血行不良をはじめ、さまざまな要因が絡み合って起こります。ここでは、抜け毛につながる18の原因および疑われる脱毛症の可能性について紹介しています。

生活習慣の乱れ

抜け毛につながる原因の1つが生活習慣の乱れです。睡眠不足や仕事による慢性的な疲労状態などが続いた場合、髪の毛を成長させるためのエネルギーが、身体を回復させるために使われ、結果として抜け毛のリスクを高める可能性があります。

生活習慣の乱れが続いた場合、男性型脱毛症(AGA)やびまん性脱毛症をはじめ、さまざまな脱毛症に発展する可能性もあるため注意が必要です。

過度なストレス

過度なストレスも抜け毛のリスクを高める原因の1つです。ストレス状態が継続した場合、自律神経のバランスが乱され、髪の毛の成長にも悪影響をおよぼす可能性があります。過度なストレス状態が続いた場合、円形脱毛症や抜毛症(ばつもうしょう)などに発展するリスクが高くなります。

過度なダイエットによる栄養不足

抜け毛の原因としては、過度なダイエットにともなう栄養不足もあげられます。髪の毛は毛母細胞が分裂することで成長しますが、過度なダイエットにより栄養不足状態におちいった場合、毛母細胞の分裂に悪影響をおよぼすのです。

ダイエットによる栄養不足状態が続いた場合、女性男性型脱毛症(FAGA)や粃糠性(ひこう)性脱毛症などに発展する可能性があります。

出産

出産後の女性の多くに、一時的な抜け毛量の増加が見られます。妊娠中には活発に分泌されていた女性ホルモンが、出産後に激減することが原因の1つです。出産後に見られる一次的な抜け毛量の増加を、産後(分娩後)脱毛症と呼んでいます。

シャンプー

肌質に合っていないシャンプーを使っている場合、頭皮環境の悪化によって抜け毛の量が増えることもあります。とくに合成界面活性剤など、洗浄力が強すぎるシャンプーを使っている場合は注意が必要です。

皮脂はべたつきの元なのでしっかり洗い流そうとする傾向にありますが、皮脂には頭皮を守るバリアとしての働きもあります。そのため、必要以上に皮脂を洗い流すと頭皮環境が外部からの刺激によって悪化し、結果として抜け毛のリスクを高めるのです。肌質に合っていないシャンプーを使い続けた場合、粃糠(ひこう)性脱毛に発展する可能性があります。

薬剤

抜け毛の原因としては、何らかの病気を治療する目的で服用している薬剤もあげられます。薬剤の服用によって起こる抜け毛のことを、とくに薬剤性脱毛症と呼んでいます。

抜け毛のリスクを高める代表的な薬剤が抗がん剤ですが、その他にも乾癬(かんせん)の治療薬や向精神薬、抗リウマチ剤、脂質異常症の治療薬などが薬剤性脱毛症を引き起こす可能性もあります。

ヘアスタイル

意外に思われるかもしれませんが、ヘアスタイルによって抜け毛のリスクを高めることがあります。ヘアスタイルによって発症リスクを増すのが牽引性脱毛症です。

ポニーテールなどの髪型を好む方や、いつも同じ場所に分け目を付けている方の場合、局所への牽引力が働いて血行不良を起こし、結果として抜け毛のリスクを高めます。

「牽引」という文字から、髪の毛が引っ張られて抜けるようなイメージをお持ちの方もいらっしゃいますが、実際には局所の血行不良が抜け毛の原因です。

長時間の帽子着用

長時間の帽子着用も抜け毛を引き起こす原因の1つです。帽子によって同じ場所を圧迫し続けると、圧迫された場所に血流障害が生じ、結果として抜け毛のリスクを高めるのです。局所の圧迫によって起こる抜け毛のことを、圧迫性脱毛症と呼んでいます。

髪の自然乾燥

髪の毛の自然乾燥も、抜け毛のリスクを高める原因の1つです。洗髪後に頭皮が濡れた状態を続けていると、湿った環境を好む皮膚の常在菌(マラセチア)が異常繁殖する温床となります。

マラセチアが異常に繁殖した場合、炎症性の皮膚疾患である脂漏性(しろうせい)皮膚炎の発症リスクが高くなります。脂漏性皮膚炎悪化した場合、抜け毛の量が増える脂漏性脱毛症に発展する可能性もあります。

カラーリング

頻繁にカラーリングをおこなうことも、抜け毛につながる原因の1つです。ヘアカラーに用いられる薬剤は頭皮への刺激が強いため、頻繁にカラーリングを繰り返していると、頭皮環境の悪化(血行不良など)にともなって抜け毛のリスクが高くなります。

カラーリングやパーマなどが原因となって起こる脱毛症として、先にも紹介した粃糠(ひこう)性脱毛症があげられます。粃糠性脱毛症を発症した場合、小さくて細かいフケが大量に発生する点も特徴です。

整髪料

抜け毛につながる原因としては、日常的に使用している整髪料もあげられます。整髪料が毛穴を塞いでしまうと、内部に皮脂や汚れなどが入り込んでしまいます。その結果、血行不良をはじめとした頭皮環境の悪化を招き、抜け毛のリスクを高めるのです。 

ドライヤー

ドライヤーの使い方によっては、抜け毛のリスクを高める可能性があります。頭皮から近い場所でドライヤーを使っていたり、熱風を吹き付け続けていたりすると、頭皮の乾燥にともなって血行不良を招きます

その結果、抜け毛のリスクが高くなるのです。また頭皮が乾燥すると、バリア機能を補うためにかえって皮脂の分泌量が増加します。その結果、脂漏性脱毛症を引き起こす可能性もあります

運動不足

運動不足も抜け毛につながる原因の1つです。慢性的に運動不足の状態が続くと、全身の血液循環が滞るため、頭皮へと送られる栄養や、髪の毛を成長させるためのエネルギーが減少します。

また運動不足によって筋力が低下すると、筋ポンプの機能が衰えるため、血行不良が起こりやすくなります。結果として髪の毛の成長に必要なエネルギーが不足し、抜け毛のリスクを高めるのです。

飲酒

抜け毛につながる原因としては飲酒もあげられます。アルコールが代謝される際、体内の水分が大量に消費されます。その結果、いわゆる「ドロドロ血液」になり、全身の血液循環が悪化するのです。ドロドロ血液のために頭皮へ送られる血液の量が減少すると、髪の毛の成長が妨げられ、抜け毛のリスクが高くなります。

喫煙

喫煙も抜け毛につながる原因の1つです。タバコに含まれる成分のニコチンには、毛細血管を収縮させる作用があります。頭皮には毛細血管が多く分布しているため、喫煙習慣があると毛細血管の収縮によって、髪の毛が成長するためのエネルギーを送り届けにくくなります。その結果、血行不良によって抜け毛のリスクが高くなるのです。

紫外線

抜け毛につながる原因としては紫外線もあげられます。紫外線には物質を破壊する強い力があるのですが、紫外線を浴び続けると「光老化」によって頭皮が硬くなります。その結果、血行不良にともなって抜け毛のリスクが高くなるのです。

季節の変わり目

季節の変わり目も抜け毛を引き起こす原因の1つです。季節の変わり目になると自律神経のバランスが乱され、血行不良が起こりやすくなります。その結果、髪の毛の成長が妨げられ、抜け毛を引き起こすリスクが高くなるのです。

イギリスの学術誌「British Journal of Dermatology」によると、近年の研究によって秋口に抜け毛の量を増すことが分かっています。

参照元:Seasonality of hair loss: a time series analysis of Google Trends data 2004–2016

遺伝

抜け毛につながる原因としては遺伝もあげられます。とくにAGA(男性型脱毛症)には遺伝が深く関わっているとされています。AGAの発症メカニズムは以下の通りです。

  1. 男性ホルモンの一種であるテストステロンがジヒドロテストステロン(DHT)に変化する
  2. ジヒドロテストステロンがアンドロゲン受容体に結合してTGF-βを生成する
  3. TGF-βがヘアサイクルを退行期へと導き抜け毛のリスクが高くなる
  4. ヘアサイクルを乱された毛穴の増加にともなってAGAが進行する

テストステロンがジヒドロテストステロン(DHT)へと変化する際、重要な働きをするのが5α-リダクターゼと呼ばれる酵素の1つです。

遺伝的に5α-リダクターゼが活発に働く方で、なおかつアンドロゲン受容体の感受性が高い場合、AGAを発症するリスクが高くなると考えられています。

まとめ

抜け毛は大きく分けると、自然脱毛異常脱毛の2つに分類されます。異常脱毛はホルモンバランスの乱れ頭皮の血行不良が大きく関わってきます。ホルモンバランスの乱れや頭皮の血行不良から生じる抜け毛は注意が必要です

今回は抜け毛につながる18の原因をご紹介しましたが、抜け毛を改善するためには原因を特定し、適切な対策をしていく必要があります。放置をしていると脱毛症に発展する可能性もあります。

生涯のヘアサイクルには上限があるため、脱毛症が疑われる場合には、薄毛治療の専門クリニックに相談するとよいでしょう。多くのクリニックで無料カウンセリングをおこなっているので、まずは気軽に連絡してみることをおすすめします。

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