アフターピルは避妊を行うために飲むピルの一種ですが、普通のピルとは何が違うのでしょうか?
ピルの種類には低用量ピルや中用量ピルなどがありますが、アフターピルはまた通常のピルとは仕組みや飲み方が違うため、また違う付き合い方をする必要があります。
そこでこの記事ではアフターピルの効果や身体への影響などをご紹介していきます。
アフターピル(緊急避妊薬)とは
アフターピルの仕組み
アフターピルは受精卵が着床するのを防いだり排卵を遅らせるなどして避妊を行うピルとなっています。
排卵前の服用であれば排卵を遅らせるほか、精子が子宮に侵入するのを防いだり、受精自体を阻害するなどの働きによっても避妊がなされるとされています。
アフターピルの種類
アフターピルの種類は大きく分けて3つあります。
- ヤッペ法
- レボノルゲストレル法
- エラ
ヤッペ法は元々あったアフターピルで、値段が安い分副作用も出やすいアフターピルです。
レボノルゲストレル法は72時間以内に1錠飲むだけで少ない副作用で高い避妊効果を発揮してくれますが、若干値段はヤッペ法よりも高く設定されています。
エラは日本では治療薬として利用されているピルで、アフターピルとしても排卵を遅らせたり着床を防ぐ効果が期待できるアイテムとなっています。なお、エラは海外製のものがよく使われます。
アフターピルの効果とは
種類別の効果の違い
ヤッペ法やレボノルゲストレル法はそれぞれ正しい飲み方をすることによって、上記のように約5割から9割の避妊効果を期待することができます。
エラは72時間を過ぎても120時間以内に服用することで約8割の確率で避妊できると言われています。
避妊の成功率と時間の関係性
アフターピルは性交を行ってから服用するまでの時間が短ければ短いほど高い避妊効果を発揮するとされています。
その効果は性交を行ってから24時間以内なら約9割、48時間以内なら約8割、72時間以内でも約6割から5割の間くらいで避妊できるとされているため、アフターピルを利用するのであればできるだけ早く服用するのがおすすめです。
アフターピルの副作用とは

アフターピルの副作用は以下のような症例が報告されています。
- 頭痛や吐き気、嘔吐
- 眠気や倦怠感
- 不正出血
- 胃腸障害
副作用が出るのは薬の働きが出ている証拠ではありますがが、嘔吐だけは成分も一緒に吐き出してしまう恐れがあるので注意してください。
もしアフターピルを服用してから2時間以内に副作用で嘔吐してしまった場合は、成分を取り入れられていない可能性が高いため、医師と相談して同じアフターピルを使うかどうか決めて行くと良いでしょう。
また、不正出血に関しては少量であれば問題が少ないですが、赤が強い色の出血や出血と共に性器に違和感を感じる場合は、子宮内膜症などの症状の恐れがあるため、これらの場合は必ず医師の診察を受けるようにしてください。
アフターピルの生理に与える影響

アフターピル服用後の生理日の目安
アフターピル服用後はおよそ1週間前後で生理が起こるとされています。
排卵前か排卵後で出血の仕方が変わってくるほか、元々の生理予定日によっても細かい生理や出血までの日数が変わるため、性交を行った日の生理の日程などを確認しながら目安を自分である程度予測していくのが良いでしょう。
アフターピル服用時期と出血日
アフターピルによる出血は生理の出血とは別物となっているため、生理による出血とは分けて日にちの目安を立てる必要があります。
アフターピル服用による出血は排卵前と排卵後のどちらのタイミングでアフターピルを服用したかで変わってきます。
排卵前にアフターピルを服用したときは、生理とは違うタイミングで消退出血という出血が起きます。
対して排卵後にアフターピルを服用したときは、生理と同時に消退出血が起こることが多く、生理と同じように出血すれば避妊に成功している確率が高いです。
消退出血と不正出血
消退出血は子宮内膜が剥がれる際に起きる出血で、子宮内膜がないため受精卵が着床せず妊娠する可能性が格段に服くなります。
対して不正出血はホルモンバランスが乱れることによって性器から出血する場合が多い出血です。
アフターピルの副作用としては不正出血が起きる場合が多く、不正出血は茶色がかった少量の血液で、消退出血は鮮やかな赤色の出血であることが多いので、色や症状などからも出血を見分けると良いでしょう。
アフターピルのよくある質問
- アフターピルを服用する前後でお酒は飲める?
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アフターピルを服用する当日にアルコールを摂取すると副作用の確率が上がったり、アフターピルの効果が下がる恐れがあるため、アルコールは控えるようにしてください。
また、アフターピル服用後もアルコールによって避妊効果が下がる可能性が十分あるため、24時間以内はアルコールを控えましょう。
- アフターピルは保険適用される?
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アフターピル自体は病気の治療のために服用するものではないため、保険適用されることはありません。
そのため、値段は全て自費となるので予算を組む際は注意しましょう。
- アフターピルが服用できないのはどんな人?
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アフターピルは肝機能が低下している人や妊娠中の人はアフターピルを消化しきれなかったり、ホルモンバランスが不安定になってより崩しやすい恐れがあるので服用できません。
また、心臓病や腎臓病をお持ちの方も症状が悪化する恐れがあるため、診療時に必ず医師に相談するようにしてください。
まとめ
アフターピルは服用する時間によって避妊効果が変わり、最低でも72時間以内には飲んでおくようにすることで避妊できる確率を高めることができます。
副作用や生理変化などの症状もあらわれることがあるため、自分の生理の状態などを確認しつつ、分からないポイントは医師に相談しながら上手にアフターピルと付き合っていきましょう。